• BCG
  • 2022.09.30

ビットコインに税金はかかるの?税金がかかる事例や計算方法、税金対策を解説

  • ビットコインは税金関係かかってしまうからなかなか踏み出せない
  • ビットコインには興味があるけど、税金が不安で購入できない
  • 税金の計算方法が難しそう

以上のような理由でビットコインの税金面での不安から購入に踏み切れない人も多いのではないでしょうか。
ただし、ビットコインの税金の計算はさほど難しくはありません。

  • ビットコインの税金の仕組み
  • ビットコインの税金の計算方法
  • ビットコインの税金対策

そこで本記事では以上のようなことについて解説していきます。本記事を読んで、ビットコインの税金について正しい知識を身につけましょう。

 

ビットコインに税金はかかるの?

ビットコインの税金に不安を感じて購入に踏み切れない人が多いのではないかと思いますが、そもそもビットコインって税金がかかるのでしょうか。まずはビットコインは税金がかかるのかかからないのかについて説明していきます。

ビットコインの税金面での不安を取り除く第一歩として進めていきましょう。

ビットコインで税金はかかる

結論からいうと、ビットコインは税金がかかります。というのも、ビットコインは投資対象になっているため、利益が生じる可能性があるからです。利益が生じるのであれば利益分の税金を支払う義務が発生するので、ビットコインで税金はかかるといえるでしょう。

ビットコインに税金がかかるパターンはいくつかあるので、そちらについては後ほど説明します。

持っているだけでは税金はかからない

ビットコインを持っていても税金がかからないケースがあります。それは、ビットコインを売らずに保有し続けている場合です。ビットコインをただ保有し続けているだけでは課税されることはありませんので安心です。

また長期でビットコインを保有し利益を狙う投資方法を「ガチホ」と呼びます。

ガチでホールドするの略語でガチホと言います。ガチホ投資は長期で投資を行うのでチャートに張り付くいておく必要がないため、初心者でも気軽にできるビットコイン投資です。税金がかからないという観点からもガチホ投資は初心者に優しい投資と言えるでしょう。

ビットコインの確定申告とは

ビットコインは税金がかかるということを理解いただけたかと思います。ただ、持っているだけでは税金がかからないので、税金がかかるパターンとかからないパターンを理解していきましょう。

続いては、ビットコインの税金を説明する上で必要になってくる「確定申告」の説明をしていきます。ここからは「確定申告とはなんなのか」「確定申告が必要な人」について説明していきます。確定申告は納税を行う際に必要な手続きとなるので覚えておきましょう。

確定申告とは

確定申告とは「1年間の所得から所得税を計算し納税するシステム」のことです。会社員の方だと確定申告より年末調整の方が馴染みがあるのではないでしょうか。確定申告と年末調整について説明します。

  • 確定申告:「個人」で所得税を計算し納税するシステム
  • 年末調整:「会社」が所得税を計算し納税するシステム

確定申告が必要な人は主に個人事業主やフリーランス、自営業の方になります。ただし、会社員でも確定申告が必要な場合があるので、注意が必要です。

また、所得税の納税方法として、1年間の所得から所得税を個人で計算し税務署に申告することです。税務署に申告と書きましたが、現代ではパソコン上で完結することもできます。また、確定申告の期間は翌年の2月16日から3月15日までの1ヶ月間です。

確定申告が必要な人は?

確定申告が必要になるのはどのような人なのでしょうか。確定申告が必要な人は以下の通りです。

■確定申告が必要な人

  • 給与収入金額が年間2,000万円以上
  • 給与所得以外の副収入が年間20万円以上ある
  • 給与を2か所以上からもらっている
  • 医療費控除、住宅ローン控除などを受けたい人
  • その他、源泉徴収義務のない人からの給与がある

上記に該当する人は、確定申告が必要です。ビットコインを取り扱っている人は年間20万円以上の利益がでた際は所得税の確定申告を行う必要があるといえます。

確定申告をしないとペナルティを受けることもある

確定申告が必要にもかかわらず、実施しなかった人は「無申告」扱いになりペナルティを受ける可能性があります。無申告状態では「無申告加算税」を課される恐れがあるのです。無申告加算税では本来納めるべき税額に加えて、その税額に応じた罰金(15%〜20%)を支払わなければなりません。

また、申告期限を過ぎて自主的に確定申告を行った場合「期限後申告」として扱われます。本来の申告・納税期限から納付日までの日数分の延滞税(7.3%〜14.6%)を支払わなければなりません。

確定申告が必要な人は、必ず期限内に必要書類を提出することや万が一期限が過ぎてしまった場合でもできるだけ早く対応することが求められます。

ビットコインの税金がかかるタイミング

ビットコインの税金を支払うためには確定申告が必要だということは理解できたかと思います。確定申告が必要にもかかわらず申告を行わないとペナルティを受けるので気をつけていきましょう。

次に、どのタイミングでビットコインの税金がかかるのか気になるのではないでしょうか。前半部分で、持っているだけではビットコインは税金がかからないと説明しましたが、逆にどのような場面でビットコインに税金がかかるのか確認していきましょう。

ビットコインを売却した時

ビットコインに課税するタイミングの1つ目としては、ビットコインを売却した時です。現金化するために、以前購入していたビットコインを売却し利益を得た時点で所得が発生し税金がかかります。計算式は下記の通りです。

(「ビットコイン売却時の価格」-「ビットコイン取得時の価格」 )× 「数量」 =「所得額」

ビットコイン取得時にかかった価格は購入時の価格の他に手数料などの金額も含みます。ビットコインを売却して利益を得る、そこに税金がかかるというのはイメージがしやすいのではないでしょうか。

ビットコインで他の暗号資産を購入した時

続いて、ビットコインで他の暗号資産の銘柄を購入した時です。暗号資産はビットコインだけではありません。有名どころはビットコインに次ぐ時価総額2位のイーサリアム(ETH)や、リップル社が運営しているリップル(XRP)などがあります。

日本円からドルを購入できるように、ビットコインからイーサリアムを購入できます。暗号資産同士の取引は暗号資産を一度売却して日本円に換金してから他の暗号資産を購入するのと同じ扱いになります。

例えば、ビットコインからイーサリアムを購入する時の計算式は下記の通りです。

「イーサリアム購入時の価格」 -「ビットコイン売却時の価格」=「所得額」

ビットコインをマイニングで入手した時

マイニングでビットコインを入手した時にも税金がかかります。マイニングとは「新しいビットコインの発掘作業」のことです。新しいビットコインを発掘する作業=マイニングだというように理解すると良いでしょう。

マイニングで新しいビットコインを発掘したそのタイミングで税金がかかります。

ビットコインで決済をした時

ビットコインでなにか買い物した時も税金がかかります。仕組みはビットコインで他の暗号資産を購入した時と同じで、暗号資産を1度売却して日本円に換金してから買い物するのと同じ扱いになり、税金がかかります。ビットコインで決済した際の計算式は下記の通りです。

「商品の価格」-「ビットコイン取得時の価格」×「数量」=「所得額」

ビットコインの税金の仕組み

ビットコインがどのタイミングで、税金がかかるか理解していただけたと思います。どのタイミングで税金がかかるか理解しておくことによってビットコインを持つハードルも下がるでしょう。

続いては、ビットコインの税金の仕組みについて説明していきます。ビットコインは所得税の中でも「雑所得」に区分されます。所得税の区分については色々とありますが、ここではビットコインは雑所得であるという理解で問題ありません。ここからは雑所得の特徴について説明していきます。

ビットコインは累進課税

ビットコインは給与所得など他の所得との合計額で課税されます。さらに所得額が増えるほど税率も増えていく累進課税が適用されています。累進課税の詳しい税率は下記の表をご覧ください。

ビットコインは税金で半分持っていかれるということを耳にしますが、この表の1番下の部分が原因かもしれません。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

出典:国税庁(No.2260 所得税の税率)

ビットコインの税金の計算方法

ビットコインの税金の計算方法として「総平均法」「移動平均法」のどちらかで求めた取得単価で計算されます。

総平均法 :年間購入金額の合計から平均し取得単価を算出
移動平均法:購入するたびに取得単価と残高を平均して算出

ただし、移動平均法を用いる場合には「所得税の暗号資産の評価方法の届出」が必要になるので、総平均法を使って計算するようにしましょう。

ビットコイン税金計算例

税金の計算例を挙げて解説しましょう。まずは、累進課税による課税額の計算方法です。累進課税の計算方法は以下の通りです。

例.課税される所得金額が400万円の人の場合

「課税される所得金額」×「税率」-「控除額」=「課税額」
「4,000,000」×「20%」-「427,500」=「372,500」

続いては、総平均法を用いたビットコインの年間損益額の計算方法です。

例.年間で①1BTC=200万円の時、3BTC購入。②1BTC=250万円の時、2BTC購入。③1BTC=300万円の時、3BTC売却した時

1年間に購入したビットコインの合計:5BTC
1年間に購入した金額の合計:250万円×2+200万×3=1,100万円
購入時の単価:1,100万円÷5=220万円

1BTC=300万円時に売却しているため年間の損益額は以下の通りです。
(300万円-220万円)×3=240万円

上記のように「累進課税による課税額」「年間の損益額」を計算し税金を支払います。自分の課税される所得金額や年間の損益額がどれくらいなのか、把握しておくことが税金対策にも繋がるでしょう。

税金面での株やFXとの違いは?

ビットコインと株やFXと税金面での違いはあるのか確認してみましょう。

株式投資では、証券会社の特定口座を利用すると証券会社が税金の計算支払いまで代理で行ってくれます。税率は株式やFXは特例となっていて一律20.315%と軽減されます。また、損失を翌年以降の3年間にわたり持ち越すことができるでしょう。

それに比べて、ビットコインは最大税率45%、損失を翌年以降に持ち越すことができません。税制面ではビットコインはまだ改良の余地があります。将来的には株式やFXのように税率一律で20.315%、損失を翌年以降3年間持ち越せるようになると扱いやすくなるので、そう願う方も多いでしょう。

ビットコインの税金の注意点

ビットコインの税金の計算方法は理解できたのではないでしょうか。ややこしい計算式に思うかもしれませんが、計算してみると簡単に税金額を算出できます。

ビットコインの税金の注意点について説明していきます。今回注意点を3つ挙げましたので、確認してみてください。

損失を他の利益と相殺できない

ビットコインで発生した損失を、他の所得と相殺することはできません。たとえば、会社員で給料をもらっている人がビットコインの損失がでたからといって、会社の給料と相殺して所得額年間でマイナスとできないようになっています。

このようにビットコインの損失は他の所得と相殺できないので覚えておきましょう。

生じた損失を翌年に持ち越せない

前述しましたが、ビットコインの損失を翌年以降に持ち越すことができません。FXや株式投資のように損失を持ち越せると、翌年はマイナス状態からのスタートができるので税制面で優遇されます。

株式やFXが3年間損失を持ち越せることを考えると、損失を翌年以降に持ち込めないのはビットコインのデメリットといえてしまうでしょう。

税率が高い

累進課税による最高税率が45%と株式の一律20.315%に比べると高いです。また、累進課税の税金の計算は一律の税率に比べると大変です。

ビットコインで億り人になったが、翌年の税金が払えないなんて悲しいできことが起こらないように気をつけていきたいのではないでしょうか。ビットコインを保有し続けている限り税金がかからないので、株式と同じように税率が一律20.315%に変わるまで保有を続けるのも手段の一つです。

ビットコインの税金対策

ビットコインの税金は税率が高かったり、損失を持ち越せなかったりと税制面では不遇なことも多いです。そんな税金面での不安があるビットコインに対して税金対策はあるのでしょうか。

ここからは、ビットコインでも行うことができる税金対策を3つ紹介します。

含み損益を圧縮

含み損益を圧縮する方法は他の暗号資産の銘柄を保有している必要があります。ビットコインで確定した利益を、他の暗号資産の含み損で相殺して税金を抑えるという方法です。

例えば、ビットコインの年間の利益が100万円で確定していた場合に、50万円の含み損状態の他の暗号資産の銘柄(イーサリアムやリップルなど)を保有しているとします。

50万円の含み損状態の他の暗号資産銘柄を損失計上した場合、下記のようになります。

「ビットコイン利益100万円」-「他の暗号資産銘柄を損失50万円」=「暗号資産の年間損益50万円」

ビットコインで利益が上がりすぎてしまった年は、他の暗号資産銘柄で損益を圧縮するのも税金対策の1つといえるでしょう。

売却せずに保有

上でも紹介しましたが、ビットコインは売却せずに保有し続ければ税金がかかりません。ビットコインを購入し年内に売却やビットコインで他の暗号資産の銘柄を購入をせずに保有を続けることが税金対策に繋がります。

ビットコインの税金面で不安でまだ保有できていない人は、長期的な目線で投資から始めて見るのはいかがでしょうか。

各手数料の申告

ビットコインを売買する時には手数料がかかります。この手数料を必要経費として申告しましょう。

例えば、1BTC=300万円の時に購入し、手数料が1,000円かかったとすると今回のビットコインの購入は3,001,000円とすることができます。

何度もビットコインの売買を行うと各手数料も膨れ上がるので、忘れずに手数料を申告しましょう。

ビットコインの税金のよくあるQ&A

ビットコインの税金対策では3つの方法を紹介しました。保有し続ければ税金はかかりませんが、いずれは売却をするときはくるでしょう。税金についての知識を蓄えておきましょう。

ここまででビットコインの税金については理解できたかと思いますが、ビットコインについてのよくある質問についてお答えします。よくある質問について知っておくことでよりビットコインの税金について理解することができるでしょう。

Q.ビットコインの無申告はばれる?

ビットコインの無申告は簡単にばれます。というのも、取引所に税務署が問い合わせれば、個人の取引情報がすぐにわかってしまうからです。

また、個人で隠そうとしても税務署が税務調査を取引所に対して行えば、ビットコインで利益が出ているにも関わらずに確定申告をしていない人を割り出すことができるのです。

さらに、現金化を行うためには銀行を介する必要があるので銀行に1度お金が入ってきます。もちろん銀行の明細も税務署にはばれてしまうので隠せないと思って税金を支払うつもりで取引しましょう。

Q.海外取引所では税金はどうなる?

海外取引所を使ってのビットコインの取引にも税金がかかります。海外取引所でも日本の居住者の場合は日本の税制に従って課税されます。税金がかかる目安や、かかるタイミングも国内で取引しているのだと同じだと考えて計算しましょう。

ビットコインの税金計算は早めに

ビットコインの税金は正しく理解しないと大変な目に遭います。本記事でも説明はしましたが、ビットコインで他の暗号資産の銘柄を購入した時にも税金がかかります。

ここを勘違いしている人は多く、法定通貨(日本円やドルなど)に変えた時のみ税金がかかると思っている人もいる人も多く非常に危険です。勘違いから無自覚で、税金の無申告になってしまう可能性を秘めているのがビットコインの怖いところです。

法定通貨に変えたわけではないから大丈夫だろうと油断していると、累進課税で税率45%まで膨れ上がっていたなんてことにもなりかねません。

ビットコインは、正しい知識を身につけて早めの税金計算を済ませておきましょう。

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